2.蝶と子猫

ベランダに続くガラス扉に、蝶がくっついていた。2羽。死んでいる。
どちらもモンシロチョウのようだが、1羽はとても大きい。大人の手のひらくらい。
なんでこんなところに張り付いてしまったんだろう。

ベランダに出ると、ちょうど蝶が張り付いたあたりの足元に、3匹の生まれたばかりの子猫が捨てられていた。細く、細く鳴く声。1匹は死んでしまっていて、もう冷たく硬くなってしまっていた。2匹も弱っているかもしれない。獣医さんのところへ連れて行かなければ。そう思って2匹を抱えて外へ出た。出たところでわたしと年のそう変わらない女性にいきなり声をかけられる。「何やってるの。あなたがやらなきゃいけないことはね、どっかに連れて行くことじゃないの。茶色い練ったものをすぐ与えないと。わかってるでしょう!」エサを与えろということだろうか。でもこんなに小さいのに食べられるんだろうか。ただひたすら困惑して、目が覚めた。