ただただ、思いやりが足りなかった。

どこかにぎやかな居酒屋にオットと行った。
すると驚いたことに、両親と弟夫婦に出くわした。
「おお〜、ご無沙汰ぁ。こんなとこで会うなんて珍しいね」
と同じ席につく。
店の中をちょっと歩くと、しばらく会っていない親戚やら、知人までいる。
とりあえず元の席に戻って家族で楽しく飲み食いをした。
ふっと傍を見ると、オットがいなくなっている。なぜかわたしはオットがトイレに行ったなどという風には思えずものすごく動揺して、
「ゴメン、わたしもう行かなきゃ」
などと言って、そこらじゅうを探し回ったのにオットはどこにもいないのだ。どうしよう。

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なんとなくなのだが、これは「東京タワー」のドラマを観たせいだ。そのせいでこんな夢をみたのだ。影響を受けやすいなぁわたしは。
洋ちゃんが出ているから観ただけで、原作は読んでいないが、このドラマはまた身につまされる話だった。結婚前のわたしと状況がいくつか重なっていたため色々反省をしながら見てしまった。


わたしがその頃まだ夫ではなかったオットと付き合い始めてからほどなく、オットの父親は重い病で入院をした。その頃わたしはといえば色々と根拠のない不安を抱えていて周りが全然見えていなかった。お義父さんを心配するオットの気持ちをわかってやらないどころか、帰省しようとするオットを引きとめようとしたり、八つ当たりでひどいことを言ってしまったりしたことがある。オットだけでなく、間接的に姑やら小姑やらに、そして誰より舅になってもらう前に亡くなってしまったお義父さんに申しわけないような気持ちを今だに抱えている。じゃあ当時わたしに何かできたかといえば何もないのだけれど。少なくとも「それは大変だね、すぐに行ってあげなよ」と送り出すことくらい普通はできるだろうに。ただただ、最低限の思いやりさえなかった自分が不甲斐なかったと思う。
でもせめて、亡くなる前の元気なうちに会うことができ、さらに最期そばに居させてもらうことができてよかったと思っている。


ドラマを観た後、率直に、上のようなことをぽつぽつとオットに話した。オットはわたしがこんなふうに思っていたのは意外だったようである。
「まあ、そんなのは、いいんだよもう」
だそうである(笑)。


本日のBGM:ありがとう・・・