某外資系家具店の常識(?)

昨日、電車に乗って少し前にオープンした巨大家具店に行ってきた。

入ってみて思ったのは、勢い込んで日本に進出し失敗して日本のスーパーに引き取られた某外資系スーパーと雰囲気がよく似ているなぁということ。確かにデザインなど日本のこれまでの家具店にはない良さも何点か見受けられるが、全体的な印象としては「日本人には合わなそう」。全体的に大き過ぎるだけではない。欧米ではあまり気にされないのかもしれないが、観音開きの戸が左右互いにぶつかってキレイに閉まらないとか、引出しを出し入れするときに金属音がするとか。わたしは以前ある一般向け製品の海外営業をしていたことがあるのだが、そのときにも感じた、欧米と日本の品質に対するこだわりの違い。欧米では、例えばプラスチックの品質が低かったり部品の接続部分などが多少ゆるかったりしても安いほうが好まれる傾向が強かった。一方日本人は、品質の高い日本製に慣れすぎているのか、たとえ安くてもチャチなつくりのものはあまり売れないのだ。ここの家具は果たしてどうだろうか。


正直なところ、ここの会社の経営陣の方は日本市場について勉強不足なのではないかと感じた。他の国で売っているものをそのまま日本にも持ってきた感じ。安いものは驚くほど安いが、家具だけでなく、小物一つとっても、品質があまりに低いのだ。家具は安いが上記のとおり、また、スリッパや普段使い用の食器など、1点200円とか300円。値段だけ見れば決して高くはないが、日本ではこれは100円ショップクオリティである。あと一万円出せば他でぴったり戸のしまる食器棚が買える。100円ショップで買えるような食器が200円、さて。


結局、洗面所に敷くために木綿のラグを2枚だけ買って帰ってきた。1枚290円。今朝、いつも新しい布製品を使う前にやるように、一度洗濯をしたのだがため息が出てしまった。一見何の変哲もないラグだったがまあ値段が値段だから、多少は覚悟していたつもりである。サイズが1割ほど小さくなったのは折り込み済み、予想した色落ちはなかった。しかし、洗濯機の糸くずフィルターがいっぱいになっただけでは足りず(こんなん初めて見た)、一緒に洗った台所の緑色のマットが真っ白になるほどの毛羽。洗濯機の周りと、干した部屋の床が大変なことに・・・。


そうそう、他にも信じられんと思ったことがいくつか。あの広い敷地でトイレが各階2箇所しかないのはおかしい。トイレに長蛇の列、店員に詰め寄る子連れの女性が。また、自分で梱包するセルフサービスのシステムは別にそれで良いが、レジが十数か所あるのに梱包台が2つだけとは如何に。レジを抜けた後何もないので、わたしは仕方なく突っ立ったまま袋に品物を詰め込んでしまった。そのあと少し離れたところで梱包台を発見。(もっとも見たところ台は人があぶれてる様子はなかった・・・つまり品物を買っている人は少ない?)これらは文化の違いじゃなくて常識を疑う。お国許ではこれで大丈夫なのか?


もうこの店で買い物をすることはないだろうな。