「HONOR 守りつづけた痛みと共に」観た

MidoriFukamori2007-03-28


ちょうど21回目の公演だったそうな。63回あるのでちょうど1/3だということだった。
まだ観ていない人の方が多いであろうから会場の様子やネタばれらしきものは簡単に下のほうに。
と言ってもわたしは感想文は苦手なので内容についてはかいつまんで。
とりあえず、すべてにおいて今まで以上にすばらしい舞台であった、とだけは書いておく。
マジ泣きした。もちろん大笑いもそれ以上に。


斜め後ろにいた40歳近くの馬鹿女がうるさかったのがちょっとだけ残念だった。ヤスケンの登場をはじめ、ことあるごとにほかの人の5倍くらいの音量ででぎゃあぎゃあ叫ぶ。一度にらみつけたら少しだけ静かになったけど。・・・ヤスケンは集厨効果が高いな。前の舞台のときの有名な一件もそうだがこの手の馬鹿がつくことについてヤスケンに罪はないと思うので実に気の毒だ。ファンの数が増えると仕方がないことなのだろうか?頼むからマナー考えようよ〜。


まず、劇場のロビーに大きな垂れ幕。おおっ。返す返すも悔やまれる、カメラを忘れたのだ。仕方がないので会社を半休してきたオットのケータイカメラで撮る(それが上の写真。誰やら一名変な人が写ってるが。笑)。カフェで軽食を取ったあと場内へ。
物販の列は予想通り長蛇の列。並んでTシャツ2枚と、プログラムを2部(1部は来ることが出来ない義妹のため)、風呂敷バッグを1つに、買いそびれていたTEN本。おおあっさり諭吉先生が消えた。壁面にお祝いの(?)ちょうちんがつるしてあった。ずらりと並ぶ共演したことのある俳優さんの名前やスポンサー企業はわかるんだけど「大前春子」とか「目玉のおやじ」ってオイ!ガチャガチャはオットと二人で五つ。オットが2つとも同じもの、HONORのピンバッジ引きやがるし。わたしも1個ひいてるので3つもあるよ。と言うわけで義妹へのお土産にはこれもつけよう。


いよいよ開幕。
もう最初の太鼓がまず圧巻だった。わかる人が聞いたらどう言うのかはわからないが、迫力があって、飲み込まれてしまいそうだった。たぶんすごくたくさん練習したと思う。すごい。そして、オープニングのご存知洋ちゃんの口上。この人のコレはいつも惚れ惚れするくらいカッコイイ。


上の方に書いた大声の馬鹿者は、そのあとの洋ちゃんの半ズボンとオナーニーサン(爆)の一挙手一投足がツボだったらしい。この馬鹿者のせいで、最初少し気が散ってしまったものの、ひと睨みしてけん制したあとは、すぐに忘れられるほど引き込まれる芝居だった。(のでこいつの話はここで終わり)。


田舎で育ち、故郷をでる者とどまる者、描かれるそれぞれに共感がもてた。違う人生を歩んでいるのにもかかわらず、共通して心の中にあるもの。わたしの故郷は日本だと思っているが、実際のところわたしには故郷と呼べる具体的な場所はないので、なんだかそういう魂がうらやましいと思った。お金や不動産やなんかじゃなくても、代々受け継がれるものって誰でも持てるものではないのだ。なかなか、身近すぎるとその価値に気が付かないけど。市町村合併は政治だからあったって良いというか、文化とはあまり関係がないと思うが、どうかそういう魂みたいなものは大事にしてほしい、などと思ったりした。(まったくの余談だが、そういう魂があったら新しいまちの名前にアルプスとかセントレアとかアホな名前は思いつかないだろうよ)


芝居もさることながら、シゲに言われるまでもなく裏方さんたちの仕事に心から感動した。
祭りの衣装だが、あれはアイヌの民族衣装を模しているんじゃないだろうか。形とか、刺繍とか。子供の頃北海道に住んでいて郷土資料館などで親しんだせいか、ものすごく懐かしく感じた。それと、ファスナーを多用した5人のズボン。機能もデザインもイイ!その変化が楽しめた。
そして、オーロラと、神木と、そして最後に現れる森の背景。もう本当にすばらしい職人芸だ。芝居とあいまって、泣けて仕方がなかった。ビニールのさわさわ揺れる音と光。どうしてああいうこと思いつくことができるんだろう。

観にいくことができて、心から良かったと思う。なにかとてもいいものをもらった。
しかしすばらしかっただけに、何か自分が見落としていないか、あるいはちゃんと理解というか内容を100%汲み取れているのかどうか心配なのと、また違う感想がでるんじゃないかと思い、すでに現時点でもう一度観たくなっている。まあ、DVD待ちということで。